Namine Guitar「J-450」の最大の魅力、それがBlues(ブルース)機能と言っても過言ではないでしょう。
この機能については、J-450 HUD/基本画面というページで簡単に説明していますが、実際に演奏しようと思うとよくわからない、という人も少なくないと思います。
そこで、この講座「J-450のBluesで遊ぼう(前編)」では、
まずBluesについての詳細知り、J-450の基本的なBlues機能のHUDの使い方を更に詳しく説明してみたいと思います。
ちなみに、後編では、そのBluesにアドリブでメロディーを自由に演奏する方法について解説していきます。
Blues(ブルース)とは、音楽の種類の一種で、
主にアメリカで奴隷として使われていた黒人さんたちが、
自由への想い、強制労働へのストレスなど、様々な想いを込めて誕生したという説が濃厚のようです。
その後、ロックンロールやジャズなど、様々なジャンルの音楽に影響を及ぼしています。
具体的に言えば、次のような進行をするものをブルース進行などと呼びます。
これはまさに、J-450のBlues機能のHUDを表したものです。
1小節に1つのコードが割り当てられていますね。
IntroとEnding以外の真ん中の部分を、演奏者のお好みで任意の回数を繰り返すことができます。
この楽譜から特に押さえて欲しい大事なポイントは、
度数表記と小節数です。
Intro(イントロ)とEnding(エンディング)を除くと、
I - IV - I - I - IV - IV - I - I - V7 - IV - I - V7
という順番の12小節が見えてくると思います。
これこそがブルース形式なのです!
え?IとかIVとかって何のこと?
それは、ダイアトニックコードの度数表記です。
音階にコードを対応させて、何番目のコードか、ということを示しているのです。
つまり、今回は音階の何番目、という考え方ではありません。
ただし、全く無関係でもありません。
次の楽譜を御覧ください。
そう、E(Mi)の音から始まる、明るい(長調の)音階ですね!
・・・いきなり#(シャープ)がたくさんでゴメンなさい・・・。J-450のBlues機能がこのキーで作られているのです。
でも、難しいと思ったあなた!慌てることはありません!
当ウェブサイトの第4回講座のページも見ながら、音階の構造をもう一度復習してみましょう!
ピアノの鍵盤を頭に思い浮かべて、
一番簡単なドレミファソラシドの音階、つまりC Major Scale(ハ長調の音階)を思い出します。
あの音階、実は[全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音]という幅になっていましたね!
その幅で音を組み合わせて出来た音階を「Major Scale(長音階)」と呼ぶわけです。
だから、今回もE(Mi)の音から[全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音]の幅になるように整えていく・・・
この4つの#(シャープ)は、そのためなのです。
そして、この楽譜にも音の上に番号がついていますよね。
これは、第4回講座でも登場している、
音階上の何番目の音かを示す数字
なわけです。
そして、それぞれの音にコードを対応させてみます。
このようになります。
小文字のmやdimという表記は、今は気にしなくてもいいです。
(正確にはdimより[-5]や[♭5]という表記が正しいかもしれません。)
今、ここで大事なのは、
何番目のコードか
(音階上の何番目の音に組み合わせたコードか)
ということです。
なお、コードの組み立てを考える場合でも、それらの音は音階上の音に準じます。
つまり、 IのコードでG(Sol)の音が#(シャープ)になっているのは、
E Major ScaleでG(Sol)が#(シャープ)だからです。
今回のBlues(ブルース)では、1番目・4番目・5番目を使います。
また、ダイアトニックコードには、3和音だけじゃなく、4和音で考える場合もあります。
コードの音が3つから4つになるのです。
作り方は今までと同じで、1つ飛ばしの音を上に乗せていきますので、
次のようになります。
大文字のMまで書かれるようになって、ますます複雑になってはいますが、
今は全然気にする必要はありません。とにかく何番目か、ということだけに注目していきます。
J-450のBlues機能では、V7というのが登場するので、一応紹介しましたが、
コードに書かれた「7」の数字は、
コードの一番下の音から数えて7番目の音を追加する、ということです。
以上を踏まえて、
J-450のブルース機能を楽譜に表したものと、J-450のBlues機能のHUDをもう一度見比べてみましょう。
この演奏は、およそテンポが100から110くらいです。
テンポとは、音楽を演奏するスピードで、BPM(Beats Per Minute)という言葉を耳にすることが多いのですが、
例えばBPM=100なら、1分間に100回叩くスピード、という意味です。
(もしBPM=60なら、ちょうど時計の秒針と同じスピードで刻むわけですね!)
よく楽器を練習する人が使う「メトロノーム」も、このテンポを確認できる装置で、
一定のペースで同じ音が鳴ってくれますが、そのペースを変えることができて、そのペースこそテンポなわけです。
メトロノームは、
ゼンマイで動くアナログ式と電池で動く電子式、スマートフォンやタブレットなどで機能するアプリなどがあります。
アプリであれば、無料でもありますので、是非ダウンロードしてみてください。
四分音符=100~110という表記がありますが、
この曲は4拍子、つまり1小節の中で4つの拍を数えたら次の小節に進むわけです。
メトロノームで100~110程度のスピードに設定して鳴らしたとき、1回1回の音が四分音符ですから、
4回音を聞いたら次の小節、という具合です。
なぜここでテンポや拍子の話をしたかと言うと、
このBlues機能のHUDは、2小節(2つのコード)を1つのボタンにしてあり、
更に今演奏しているところで次のボタンを予約の意味で押しておくという仕組みです。
つまり、
が重要になります。
音楽において、リズムや拍というのは、とても難しい問題です。
その辺りについては、今後改めて別途講座で説明するかもしれませんが、
今はメトロノームの設定を100~110にして音を鳴らし、4拍子を数えるペースを覚えてください。
そのペースと、ギターで演奏される音楽のペースがおよそ合って聞こえてきたら、4拍子を数えることについては迷わなくなるので、今どこをやっているかがわかると思います。
この手順を見てもお分かりの通り、
今どこを演奏しているのかを把握するのが、上手に演奏していくための最重要ポイントです。
そのためには、音楽を聞きながら拍子を数えることができるようにならなければなりません。
音楽を聞きながら手拍子をするようにすれば、その手拍子自体が音楽の拍になるので、
4つ手拍子したら(数えたら)次の小節に進める、という具合になります。
どうしても音楽のテンポが掴めないという人は、メトロノームで拍を刻んでもらえば、音楽の中で手拍子するペースがつかめると思います。
サンプル演奏の音源も用意しました。確認用に聞いてみてくださいね!
(Introから2コーラス演奏してEndingに進んで終わります。)
今回の講座は以上です。次回は、このブルースの演奏に、アドリブで単音でメロディーを演奏していく 方法をご紹介したいと思います!お楽しみに!