namineギター

音楽講座

第6回講座
「J-450のBluesで遊ぼう(後編)」

ライブラリ

 

この講座で学ぶ内容とは!?

さて、Blues(ブルース)といえば、やはりアドリブ・セッションですよね!
アドリブとはAd-libitumの省略語で、「自由に」という意味です。
セッションとは、演奏者同士が集まって一緒に演奏を繰り広げることです。
この講座では、誰かがJ-450のBlues機能で演奏しているところに、自分で自由に作るメロディーで参加していくためのコツをご紹介します。
ここでご紹介する方法は大きく2つ!

  1. コードトーン(和音の構成音)を使う。
  2. ブルーノート・スケールを使う
です。

1.コード・トーンを使ってアドリブしよう!

コード・トーンとは、コード(和音)を構成する音のことです。
以前の講座でも説明してありますが、
コードとは、音の集合体です。3つ以上の音を集めたものをコードと言うのです。
そのコードは、どんな音で作られているのか、その音一つ一つをコード・トーンと呼びます。
例えば、今回のBluesに登場している「E」というコードは、E(Mi)・G#(Sol #)・B(Si)の3つで出来ていますよね!
コードの作り方は、音階の1番目と3番目と5番目の音を組み合わせる、でしたよね!
ということで、次のように作るわけです。

他のコードもこのような仕組みで出来ています。
例えば、「A」というコードは、A Major Scaleの1・3・5番目の音を組み合わせたり・・・。

そして、J-450のBlues機能で演奏される曲は、以下のようなコード進行になるわけです。

さて、このように各小節にコードが割り当てられていますが、
これはつまり、例えば「E」と書かれた小節には、Eのコードの音が演奏されている、
つまり、Eのコードが鳴り響いているわけですから、
私達がその音楽に合わせてEのコード・トーン、つまりE(Mi)・G#(Sol #)・B(Si)のどれを演奏しても、
音楽としてはとっても自然に鳴り響くわけです。

というわけで、誰かがJ-450のBlues機能で演奏しているところで、
積極的にメロディーを作る際に、コードトーンの音を自由に選んで演奏すれば間違いないわけです!
では、試しにコード・トーンを使って即興でメロディーを作って、Bluesの演奏に合わせてみます。
サンプルはこちら。

クリックしてから音が出るまでのちょっとした時差と、私のクリックテクニックが鈍くて、
音楽とタイミングが少しずれていますが、響きとしてはピッタリ合っています。

このように、どういうコード進行でコード・トーンが何の音なのかをしっかり把握するだけで、
かなりの精度でアドリブできるのではないかと思います。


ただし、少し物足りない気もしますよね。

「実際にアドリブしている人は、他の音も演奏しているじゃないか!?」

と思った人もいるかと思います。

その通りです。
コード・トーン以外の音(ノン・コード・トーン、非和声音)を演奏してはいけない、というわけではありません。

ただ、例えば「E」のコードが割り当てられているところで、
A(La)・C#(Do #)・E(Mi)
の音を多く演奏してしまったら・・・

「E」のコードと「A」のコードが両方聞こえてきて、響きが不自然になりすぎてしまいます。
もしかしたら、「あの人間違えてる?勘違いしてる?」って思われてしまうかも・・・。

だから、コード・トーン以外の音を演奏するのはもちろんOKなのですが、
コード・トーンの音を出来るだけ多く含みながら他の音も混ぜていけばいいわけです。
ルールを知った上で、あえてそれを少し破る感じです。
だから、ルール(コードトーンやコード進行)をしっかり理解してからやらないと、
自然でカッコ良いアドリブができないかもしれないのです。
そういう意味では、上級編ですね!

ただ、この内容そのものは、実は第3回講座「コードに合わせて作曲」で既に説明済みです!
合わせて復習して、確実にモノにしましょうね!^^

2.ブルーノート・スケールを使ってアドリブしよう!

コードトーンを演奏する以外に、メロディーを作るためのヒントとして
これを覚えれば大丈夫!
というものがあります。それは、
ブルーノート・スケール
です。

Blues(ブルース)音楽ではよく、
Bluesy(ブルージー)な響き、などと言うことがありますが、
そう感じさせる秘密が「Blue Note(ブルーノート)」です。
ブルーノートは、音階の3・5・7番目の音を半音下げたもの。
(厳密には{半音のさらにまた半音}という説が有力ですがNamine Guitarでは出せないし、話が複雑になるので初心者用に割愛します。)
ブルーノートをMajor Scale(長音階)に追加した音階、それこそ「ブルーノート・スケール」と呼ばれているものです。

基本的には、これらの音すべて!コード関係なくどんどん使ってOKです!!
そういう意味では、コードトーンを理解してからでないとうまく演奏できなかった1つ目の方法よりも楽かもしれませんね!
ブルーノート・スケールは音が多いので、覚えるのが少し大変かもしれませんが、
通常のMajor Scale(長音階)よりも使ってもいい音が増えたとも言えます。

覚え方は、
長音階の3・5・7番目の音が半音下がった音「ブルーノート」を織り交ぜて長音階を演奏する、です。
(ちなみに、登場するコードトーンも含まれていますね!)
ただし、厳密には「ブルーノート・スケール」をただランダムに音を選んで演奏するだけでは、
本当の意味でカッコイイ、ブルージーな響きにはならない場合もあります。

例えば、B7と書かれたところで、G(Sol)・B(Si)・D(Re)と演奏してみてください。
とても違和感がありますよね。
もちろん、使ってはダメな音というわけではないのですが、あまり多用すると違和感だけが残ってしまいます。

かと言って、完璧にハマる音を演奏しようと思ったら、やはりコードトーンになるのですが、
これだけだと物足りないし、ブルージーな雰囲気は出ません。

ブルーノートについても考えてみましょう。
例えば、3番目を音を半音下げた音に注目します。今回のKey(調)はE Major Key(ホ長調)ですから、
3番目の音はG#(Sol #)ですね。これを半音下げることでブルーノートを作ると、
シャープ(#)の取れた、ただのG(Sol)になります。
この音を、Eのコードのときに演奏したら、どうなるか。
Eのコードは、{E(Mi)・G#(Sol #)・B(Si)}にG(Sol)が混じる、
つまり、半音でぶつかる音があるのです。(GとG#)
例えばクラシック音楽では、このようなことは滅多になく、できれば避けたい音の組み合わせでもあります。
ところが、ブルースではこれをカッコイイ!と考えるのです。いや、感じるのです!ハートで!!w

まとめ!

以上を踏まえて、
ブルースでアドリブするために気に留めておいて欲しいことをまとめます!

  • コードトーンでを自由に選んで演奏するとき
  • ブルーノートスケールの音を使ってメロディーを作っていくとき

この2種類の方法を任意に選んで自由に演奏するのがいいと思います。
試しに、この2つを念頭において演奏してみたものを録音してみたいので、聴いてみてください。
何かの参考になればと思います。

コード以外の音は、音楽的に緊張を生みます。
コードトーンを演奏すれば、緊張感が解けて緩和します。

音楽表現に限ったことではないかもしれませんが、
緊張と緩和のバランスを楽しむことがコツです。

ノンコードトーン(非和声音)からコードトーンに移動するのは、まさに緊張から緩和です。
あとは、ブルースの名曲・名演奏をたくさん聴いて感性を磨いてくださいね!


他にも、ペンタトニックスケールなど、ブルースに便利なツールはたくさんあるのですが、
いきなり手段がたくさんだと混乱して覚えきれないと思うので、
ひとまずここでご紹介した方法をお試しください。
あとはブルースを聴いてセンスを磨いたり、いろいろ遊んでいるうちに、
自然でカッコイイ演奏ができるようになると思いますよ!

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